なぜ海外インター校から日本の大学へ進学したか?帰国子女が日本の大学に進学するメリットは?

私は海外で高校を卒業したあと、帰国子女受験を経て日本の大学に進学しました。

高校は海外でインナーナショナルスクールに通っていて、現地校ではありませんでした。友達はみな、彼らにとっての外国に住んでいる人たちだったのです。なので、どこの大学に行くかはGrade 12のときに専らの話題になっていました。

私の高校では、自国に帰って大学に進学する人は少なかったです。英語圏出身の人は自国に帰ったりもしていましたが、アジア人はほとんどみな欧米の大学に進学しました。

そんな中、私は一人日本の大学に進学することにしました。その理由を記したいと思います。

はじめは英語圏の大学に進学したかった

海外の大学に進学した方が就職に有利?英語が上達する?今までの学校生活と変わらないから馴染みやすい?受験方法がわかりやすい?かっこいい?…

こんな思いから、はじめは欧米の大学に進学したかったのです。

友達が皆帰国せずに海外の大学に進学していたので、周りに流されていたこともあったのでしょう。

日本の大学の悪いイメージ

日本の大学に進学する悪いイメージもありました。

・日本の大学生は勉強しない ・暗記させられるだけの講義 ・英語力が落ちる ・友達と離れる ・せっかく留学したのに代わり映えしない進路

などです。

海外の大学に行くことにいいイメージ、日本の大学に行くことに悪いイメージがあったので、なんとなく海外の大学に行きたかったです。

そして、まずはインターネットで英語圏の大学の情報収集をしてみました。

英語圏の大学に進学する費用

イギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダなど、英語圏の大学に行きたくて様々な大学のホームページを見てまわりました。すると、学費がすごく高いことを知りました。

現地の人が進学する分には払えるような学費でしたが、外国人がいくとなると、現地の人より高い学費が課されていました。

例えばイギリスの大学であればEU citizenだったり、オーストラリアの大学であればニュージーランド人だったりすると現地人と比べても学費はさほど高くなりません。

しかし、日本人となると一気に高くなります。私たちはOversea studentというものにカテゴライズされてしまうからです。

例えば、ケンブリッジ大学の文系の学費は年間約270万円で、慶應義塾大学の学費は年間約110万円です。(出典元:ケンブリッジ大学HP慶應義塾大学HP 2019年1月参照)

この差は大きい!しかも4年間通うわけですから、無視することはできません。

しかも、学費だけでなく生活費も多くかかります。

お金については、払えるか払えないかだけでなく、支払った対価も考えて決断しなければなりません。それだけの学費と生活費を払って何を学べるのか、を検討すべきだと思います。

帰国子女「だから」日本の大学に行く

帰国子女が海外の大学に進学するメリット

結局、高い学費を払って海外の大学にいって何が得られるのでしょうか。

・高い英語力 ・学歴(履歴書に書ける) ・かっこよさ

こんなもんでしょう。

これらはもう留学先で得たものなのではないかと思います。

英語で行われる高校の授業についていけたのならば、英語力のブーストはもうできています。あとは語彙力を増やせばもっと上達するので、わざわざ英語圏の大学に行く必要はありません。

履歴書に書くことだって、留学経験があることは書けますし、英語力アピールは検定試験やTOEFLの点数などで示せます。

かっこよさについては、上記の学費の差ほどの価値はありません。経済力によって人それぞれでしょうが、少なくとも私には、、

帰国子女は海外の大学に行くメリットがさほどないのです。

では、日本の大学に帰国子女として進学するメリットはどうでしょう。

帰国子女が日本の大学に進学するメリット

・日本の文化を知れる(大学生活や国内旅行) ・母国語を鍛えられる ・学費が英語圏と比べて安い ・英語が話せることが自分の強みになる(当たり前の技術ではない)

この日本文化を知るというのはとても大事なことです。

特に将来国際社会で働きたい人は、日本人として、他の国の人にない考え方を提案することができるようになります。自分のアイデンティティを大切にすることが大事です。日本に住んでいないとなかなか国内旅行はできません。国際社会で日本人として活躍するのであれば、遊び場所や歴史も含めて知っていることが必要だと思います。

日本語を強化することも見くびってはいけません。10年以上海外に住んでいた人などは別ですが、2〜3年留学していたような人にとって結局英語は第二外国語です。いくら言語が話せても、話す内容がしっかりしていないと意味がありません。母国語で考える力を養うことが、成長への近道ではないでしょうか。

また、日本の大学に進学すると、英語が特技になります。英語圏では英語が話せて当たり前です。ですが、日本では特技の英語を生かして高時給のバイトを見つけたり、レベルの高い授業をとれたりします。

帰国子女にとっては日本の大学に進学することで得るものが多くあるのです。

おわりに:結局は、自分が何をするか

英語力の維持・上達は自分で勉強を続けて、意識して英語を使う環境にいればできます。

私とって、日本は暗記ばかりの勉強スタイルというイメージでしたが、履修する授業によりました。

大学に入ってから気づいたのですが、必修さえおさえていればあとは自分で取りたい授業を選べるので、自分の好きな教え方をする教授を選べます。

ある程度手を抜いても卒業できるので、インターンやバイトなどをして職業体験や社会経験をすることができます。今の日本は人手不足なので、仕事はいくらでもあります。もちろん研究に力を入れたければ、それもできます。

結局、どこにいたって自分が何をするか、です。

海外の大学に行くだけでは何も身につきません。

むしろ帰国子女は日本にいた方がいいようにも思えます。

「かっこよさ」や「みんながこうしてるから」ということに捉われず、海外と日本の大学のどちらに進学した方が自分のためになるかをしっかりと考えることが大切です。

私は、はじめはマイナスイメージだった日本の大学に進学した方がメリットが多そうだと気づいてよかったと思っています。

後悔は全くありません。

日本で充実した大学生活を送っています。