このエッセイは3人の子供を連れてケニアに住んでいた母が、2006年に書いたものです。
「出たっきり邦人・中南米・アフリカ編」というメルマガで配信していた内容を、一部編集して紹介しています。
〓ケニア共和国・ナイロビ発〓
ケニアよもやま話 第14回 「古着マーケット」
今年の雨季は、本当によく雨が降っております。南半球ですから、もうそろそろ暖かい季節になってもいいようなものの、まだ雨が多く、冷え込んだりしております。とはいっても、気候は世界一ではないかと思われるほどのナイロビですので、まだまだ快適。日本の梅雨に比べれば、ちょろいもんです。
あまりにも、雨が多かったということでしょうか?翌月から入居開始の新築マンションが、崩れたりすることも起きました。建築中のものが崩れたりするのは、前にもあったことですし、こちらの工事現場を見たら不思議ではないので、ああやっぱりな、という感じです。
ケニアへの投資を考えている方は、マンションが崩れないかどうか、セメントの配合具合は正しくできているか、なども確認をした上で、購入してくださいね。最終的な見た目は何とか取り繕っても、雨が降ると崩れますよ。
世間話はこのくらいにして、今回は旅行本にはまだ載っていないであろうナイロビの楽しみ方をひとつご紹介します。
それは、古着マーケット。ナイロビ市内にいくつか先進国の援助団体から送られた古着を売るマーケットがあります。外国人がよく利用するのが、外国人の生活範囲からもほど近い『トイマーケット』。
あまり治安がいいとはいえないので、きれいな格好ではなく、お金はポケットなどに入れるなどして身につけ、気を引き締めて、目つきも厳しくしてから、近くの警備員付きのショッピングセンターの駐車場を徒歩でしゅっぱーつ!
まずは道路わきに、『セレクトショップ』が並んでおります。セレクトショップと言っても、板や、木の枝で作られた粗末な台の上に、洋服が並べられているだけ。店によって、ジーンズ、大人のスウェット、靴、子供服中心、下着など、専門店のようになっているので、『セレクトショップ』。
値段は、交渉次第ですが、先日は子供用のリーバイス、新品同様を400円くらいで購入。他のしみがついたような、ノーブランドのジーンズも同じ値段で売っていたので、多分彼女はリーバイスの価値を知らなかったのでしょう。ラッキー。
このセレクトショップの並ぶ道を進んでいくと、とても狭い泥道に突き当たります。雨季は、下もどろどろ、においもこもっていてきついので、最近はかなりご無沙汰しております。つわりの人は、無理な場所かも。
そして、その小さい店がところ狭しと並んでいる泥道を少し進むと、道がさらに細かく分かれます。ここから先は、初めての人は案内人に連れて行ってもらわないと、迷子になってしまうでしょう。
くねくねと、歩くこと100mくらいかな?屋根のない、開けた場所に到着します。そこは、洋服の山、山、山。そして、売人が値段を唱えています。日本の八百屋さんの「らっしゃーい、いらっしゃーい、今日もやすいよー、大根1本200えーん!」などという掛け声と、そっくり。
そこは、特にセレクトもされてなく、屋根もない場所で、しかもアクセスの悪い場所で売っているので、大体1枚40円くらい。そのかわり、シミがついていたり、穴が開いていたりすることがよくあるので、よーく見て買わないといけません。
とはいっても、『迷ったら買う』が鉄則。試着もできないので、入るかどうかも分からないけど、入らなかったら誰かにあげればいいや、なんたって40円だもん。
赤ちゃんの服は、新品同様のかわいいものがたくさん見つかります。みんな、なんとなくもったいなくて着せないうちに、成長してしまい、泣く泣くチャリティーに出したのでしょうね、きっと。
うちの子供たちにいいような洋服は、それほどではありませんが、ぼちぼちと掘り出し物があったりするので、やめられません。お母さんの洋服も、たまに掘り出し物が。大体、タグ読みから入ります。いいブランドのものは、型崩れが少ないので、お買い得です。
普通のお店では、センスもサイズも値段も、3拍子そろわない洋服しかないようなナイロビでは、この古着マーケットへの買い物が一番楽しいかも。
もしも、チャンスがありましたら、ぜひお試しあれ。
ただし、強盗、スリにあったときの責任は持ちませんので、悪しからず。