「ケニアからのお土産」出たっきり邦人@ケニア第16回

このエッセイは3人の子供を連れてケニアに住んでいた母が、2006年に書いたものです。

「出たっきり邦人・中南米・アフリカ編」というメルマガで配信していた内容を、一部編集して紹介しています。

ケニア共和国・ナイロビ発〓

ケニアよもやま話 第16回 「ケニアからのお土産」

ケニアから日本に帰国するときのお土産には、頭を悩ませます。一般的な観光客に人気の物といえば、マサイマーケット(民芸品を売っている市が市内で毎週3回ほど催されます)で売っている品々、カンバ族お得意の木彫りの人形、マサイ族のビーズ細工、サイザル麻のバッグ、キコイやカンガと呼ばれるテーブルクロスサイズの布地、ソープストーン細工の小皿、彫刻などでしょうか。

西アフリカから来ているお面などを購入する人もいますが、そもそもケニアのものではないし、自分の趣味で買うのはいいとしても、土産として買うようなものではないですしね。

あとは、スーパーで売っているケニア特産の紅茶やコーヒー、マカデミアナッツなどのナッツ類。結構おいしいんですよ。ただ、紅茶以外は値段も別に特段安いわけではないので、投げるように配るわけにはいかないし…。何しろ日本には質のいいものが入っているので、舌の肥えた人にはあわないかもしれないし。

そして、愛知地球博のアフリカ館を訪れてみてびっくりしましたが、アフリカ中どこも同じようなみやげ物ばかり。こんなに広い大陸なのですから、もうちょっと各国の独自色が濃くてもいいとは思いますが、どうしたことか多少の違いはあっても結構同じようなものばかりが売っていました。

一時帰国などでたびたび帰るとするならば、いつも同じようなお土産になってしまうのも申し訳ない。ネタ切れですね。

何がいいんだろう? 世界で一番というほど、いいものがそろう日本にあっては、やはり価格差があり、日本ではなかなか買えないようなものがいいのかも。本当は、アボカド、パパイヤ、マンゴー、パッションフルーツなんかが生鮮食品でいいかもしれないけれど、持ち込み可能かどうかはよく分からないので、ちょっと躊躇してしまいます。

ケニア食のファンならば、ケニア人の主食である『ウガリ』の粉はどうでしょう。ただ私たち家族は、ケニア食のファンではないのでこれも却下。

ケニアで安いもの…。パエリヤなどに使う『サフラン』は、安い!1gで170円ほど。1gって、結構たくさん入っているのよね。『ココアパウダー』も結構やすいかな。あとは、インドカレー用にスパイスがもうパックされている『インドカレーの素』みたいなものが、生活に根ざしていて、面白いかも。お料理好きの人たちには、こういうお土産もいいかもね。

そうだ、もう一つあった。ケニアは、この気候をいかした『花き産業』が盛んです。生花も日本へも輸出しているそうですが、これもまた生であるだけに個人で持ち込むには検疫が気になるところ。

ただ、空港近くには『プリザーブドフラワー』の工場があり、欧米に輸出しております。個人でも、購入可能で、これをお土産にする人もいますねぇ。私も、どこかのバザーで買いましたが、紛れもないケニア製のくせに、そこについていたタグには店のロゴらしいものの下に『France』と書いてあります。

確かに、どこにもMade in Franceとは書いてはないぞ。でも普通Franceとそういうところに書いてあったらフランス製だとおもうよな、というような場所にちゃっかりとFranceと書いてある…。これ、きっとヨーロッパでは高いんだろうなぁ。まさかケニア製だとは思わないよなぁ。

そして、輸出品というだけあって、質はまあまあ。先進国の店先で並んでいるようなクォリティーです。ただ、ここのショールームは知る人ぞ知る、みたいな場所にあることと、オープン時間も非常に短い。そして、行った時に商品が揃っているかどうかはわからない。

とはいえ、今度ケニアを出るときは、これを買っていくのを忘れないようにしないと、いつものようにスーパーで、コーヒー、紅茶、ナッツを買ってごまかす事になってしまう。日本に持ってかえるお土産って、悩ましいんですよ。なんてたって、日本には質が高くて安いものがたくさんありますから。何かケニア土産でもらって重宝しているものはありますか? もし何かありましたら、教えてくださいませ。