「茶色の水道水と危険な井戸水」出たっきり邦人@ケニア第15回

このエッセイは3人の子供を連れてケニアに住んでいた母が、2006年に書いたものです。

「出たっきり邦人・中南米・アフリカ編」というメルマガで配信していた内容を、一部編集して紹介しています。

ケニア共和国・ナイロビ発〓

ケニアよもやま話 第15回 「水」

配信が遅れましたことを、深くお詫びいたします。

正月気分を味わった気はしないのに、正月ボケだけはかましてしまっています。申し訳ありませんでした。気を取り直して、以前から気になっていた水の話をします。

蛇口からコーラ?というくらいの色の水が年末に行ったホテルでは出てきました。川の水を利用しているようなので、この雨の続いた時期にはこの色の水が出てくるのは仕方がないようで…。子供は強い!3cm水をためただけでも底が見えなくなるようなまっ茶色の風呂に使っておりました。虫がいてもおかしくないとは思いましたが。

ナイロビの我が家、家賃だけは“高級”な家でも、水道から出てくる水は茶色です。コップにためただけでもにごっているのが分かるくらいの色。ちゃんと市の水道局から支給されている水道を使っているはずですが、それでも濁った色をしています。タンクかどこかにたんまり泥がたまっているのでしょうね。

中には井戸水を利用しているマンションもあります。そこにはナイロビに来た当初3ヶ月ほど住んでいたのですが、透明な水がでてきておりました。料理にも、利用しておりましたが、これはこれで大変な問題を含んでいることが発覚!

問題は『フッ素』。
どうやら調べてみると、アフリカの土壌にはフッ素がもともと高く含有されていて、井戸水はフッ素の含有率がかなり高いらしい。11月末の新聞に載っていた情報によると、WHOの発表している水道水へのフッ素の含有許容量は1リットル当たり1.5mg。ナイロビより3時間ほど行ったところにあるナクル湖は、世界で一番高いフッ素の含有率で、なんと2800mg!

ナイロビでも井戸水の平均フッ素含有率は4.1mgらしく、3ヶ月間も成長過程にある子供たち3人と暮らしてしまった身としては、とても気になる話です。もちろん、中にはそこに長い間暮らしているご家族もいらっしゃるので、3ヶ月だけで住んだと思えばいいのでが、でもナイロビの水道水だって本当に信用できるかどうかは分かったものじゃない。

フッ素を取りすぎるとどうなるかって?

Fluorosisという症状で、軽い場合は、足が曲がったり、生えてくる歯の色が黄ばんでいたり、もろかったりということらしいけれど、重い場合は、骨全体がもろかったり、骨癌とも関連性があるらしい。

ケニアの北にあるツルカナ湖の近くに住むエルモロという集落では、その集落のほとんど全員がfluorosisの症状が出ているそうです。

フッ素のコントロールが出来ている先進国への転勤を切望してしまう瞬間です。