「毎日だれかの名前の日」出たっきり邦人@ポーランド第18回

このエッセイは3人の子供を連れてポーランドに住んでいた母が、2009年10月に書いたものです。

「出たっきり邦人・欧州編」というメルマガで配信していた内容を、一部編集して紹介しています。

ポーランドワルシャワ発〓
ポーランド便り 第18回 「名前の日」

現在外気2度、10月14日には既に初雪、しかも大雪を経験して、既に冬がやってきたワルシャワです。道行く人もしっかりと帽子、コート、手袋で防寒しています。今月末に夏時間が終了すると、暗くなるのも一層と早くなり、気温もどんどん下がり、冬の本番がやってきます。

ところで、ポーランドのカレンダーには毎日、人の名前が書いてあります。手元にある手帳を参考にすると、今日10月23日は「テオドラ、セヴェリナ、マーレニイ」とあります。これはキリスト教の聖人の名前で、聖人の日がそれぞれ365日決まっています。

そして、自分の名前の由来になった聖人の日を「名前の日」として祝う習慣がこの辺にはあります。ハンガリーチェコなども祝うと聞いたので、どこら辺までこの伝統が残っているのかはよく分かりません。ラテンアメリカでも名前の日を祝う場所があるみたいですね。

誕生日よりも盛大に祝うと聞いたこともあります。私が実際に目にしたことがあるのは数回ですが、レストランで盛大に祝っていました。面白かったのは、「モニカカップ」という素人テニス大会という催しを、モニカさんが自分の名前の日にしたこともあります。
祝い方は人それぞれなのかな、と思いました。

そしてそういう場で必ず歌われるポーランドの誕生日の歌はこれ。
http://www.polishamericancenter.org/StoLat.htm
歌詞と英語訳は以下の通りです。
Sto lat! (A hundred years)
Sto lat! Sto lat! (A hundred years, a hundred years,)
Niech zyje, zyje nam. (May he (she) ive for us)
Sto lat! Sto lat! (A hundred years, a hundred years,)
Niech zyje, zyje nam. (May he (she) ive for us)
Jeszcze raz! Jeszcze raz! (Once again, once again,)
Niech zyje, zyje nam (may he live, live for us.)
Niech zyje nam.   (May he live for us.)

ちなみに、人の名前はアナやマリアなどヨーロッパ言語に共通のものがたくさんありますが、スラブ語っぽく変化しているものもあります。
たとえばピーター(Peter)はピョートル(Piotr)です。ピョートル大帝って世界史で習いましたよね。よくある名前はヤン(Jan)、これはジョン(John)です。読みにくいのが Krzysztof 、Andrzej 、Grzegorz でしょうか。これはそれぞれ、クズィシュトフ、アンジェイ、グジェゴシュと読み、ポーランド版クリストファー(Christopher)、アンドリュー (Andrew)、ジョージ (George)です。
名前で面白いのが、結婚して共通の苗字を持つことは同じですが、最後の文字が男と女で違うことがあります。

苗字の最後がiかyで終わるものは、女性には最後の文字がaに変化します。
だから、シコルスキ外相の奥様はシコルスカさんです。そういえば、こちらでシンプソンズもやっていますが、題名は「Simpsonowie」。一見すると、かなり変わっているみたいですが、最後に-owieをつけると、複数形になるみたいです。

以上、私の乏しい知識の中から、名前について書かせていただきました。