「番外編ハンガリー旅行」出たっきり邦人@ポーランド第5回

このエッセイは3人の子供を連れてポーランドに住んでいた母が、2008年3月に書いたものです。

「出たっきり邦人・欧州編」というメルマガで配信していた内容を、一部編集して紹介しています。

ポーランドワルシャワ発〓

ポーランド便り 第5回 「番外編 ハンガリー旅行」

結局、初めてのポーランドの冬は暖冬のまま終わってしまうのか?暖冬とはいえ、空がいつも低くてどんよりしていて、太陽がどこにあるのかも分からない。スキッとしたすがすがしい日本の冬が懐かしい。

でも、暖冬のよさも楽しまなければ。ということで、ハンガリー旅行に行ってきた。2月の初めに、夫の職場の3連休が2週間後にあることに気がついてから、いきなり、とにかくどこかに行こうっ、と計画開始。

目的地は未定のまま、格安航空券に導かれてみようとサーチをしてみたところ、あるじゃないですか。ブダペスト行き格安チケット。ハンガリーのマレブ航空で大人往復1万円、子ども5千円のチケットが。これに税金など諸経費が倍以上(なんとっ!)加算されて、大人2人小学生3人で合計10万円ほど。と、2週間後には、濃霧のために飛行機がキャンセルなどになりながらも、なんとか予定より7時間遅れて、飛行時間1時間でブダペストに到着。言葉はハンガリー語、通貨はフォリント

夜に到着してすぐに見たのはライトアップされたとても美しい眺め。王宮、鎖橋、国会議事堂、教会。ワルシャワにはない壮大な景色にうっとり。これこそ、ヨーロッパ宮廷文化といった感じかしら?さすが『ドナウの真珠』と呼ばれているだけのことはある。世界遺産にも登録されているのは、お恥ずかしながら後で知ったけれど。

街自体は、ワルシャワには申し訳ないが、申し分なくブダペストが美しい。ヨーロッパらしい街並みを楽しみたい方には、ハンガリーがおすすめだ。私達はトラムや地下鉄を使って観光したのだけれど、地下鉄はワルシャワのほうが断然きれい。車両も駅も日本のものと比べても遜色ない。その代わり、南北に伸びる1本しかないのが残念なところ。とくに線を増やすという話もなさそうなので、しばらくはこのままでしょう。でも、特に不自由は感じませんけど。

それにくらべ、ハンガリーは4つくらい?路線があった。本数も多いし、乗り換えも簡単。でも、駅が汚いし、車内もちょっとすたれているようなイメージ。ああ、そうだ。びっくりしたことは、地下鉄なのでかなり長いエスカレーターがあるのだけれど、ものすごいスピードで動いていた。

エスカレーターには慣れているはずの私達日本人でさえ、まるで初めてエスカレーターに乗る人のように、タイミングをはかってから飛び乗ったりした。あれは、お年寄りにはちょっときついかな?いくつかの駅ですべて速かったから、あれがハンガリー標準なのかしら?意外とみんなせっかちなのかも。

中央市場、も名前に惹かれていってみたものの、観光客相手の店のようなものが多すぎて、もっと地元のものが見たかった私達はがっかり。しかも市場なのに整然としていたのも、活気が物足りなくて、ほとんど買い物はしなかった。きっと、地元民が利用する市場は他にあると思うわ。ちょっと下調べが足りなかったな。

そうそう、ハンガリーといえば温泉!日本のような温泉は初めから期待していないけれど、やっぱり温泉というからには試してみないと。と温泉に入る気満々でブダペスト入りしたのに、ブダペスト一の有名な温泉に行ってみると「子どもは温泉プールのほうのみで、温泉施設のほうは入れない」と言われたので、夫のみ実験台として温泉のほうに入ることにした。私達はお土産ショッピングにおでかけすることに。だって、プールの水温は28度。寒くてはいれない。

あとで夫に話を聞いても、そんなに魅力的な温泉ではなかったみたい。結局私達は日本人。日本の温泉に勝るものはないのかしら。彼は、辛口批評気味なので、一般的にはガイドブックの通り素敵なところなのかもしれないが。

あっという間に2泊が過ぎ、ワルシャワに戻った。

飛行機で1時間でスロバキアを飛び越えワルシャワの我が家に帰宅。ヨーロッパは旅行するのに便利だなー、ワルシャワはヨーロッパの果てにあるなぁなんて思っていたけれど、実はそんなことないじゃない。

なんて思っていたのだけれど、ブダペストで再会したナイロビ時代の友人親子は現在スロバキア在住。スロバキアの首都ブラチスラバからは、ブダペストまで車で1時間半だったって。しかも、ブダペストに来てくれたその前日は、ちょっとお買い物に車で1時間のウィーンに行ったらしい。

やっぱり、近隣諸国に行くのに飛行機で1時間もかかるワルシャワはヨーロッパのど田舎かも。

田舎には田舎のよさがあるけどね。きっと。