「バレーボール観戦で不快な体験」出たっきり邦人@ポーランド第7回

このエッセイは3人の子供を連れてポーランドに住んでいた母が、2008年7月に書いたものです。

「出たっきり邦人・欧州編」というメルマガで配信していた内容を、一部編集して紹介しています。

ポーランドワルシャワ発〓

ポーランド便り 第7回 「バレーボール」

行ってきました! 男子バレーボール、ワールドリーグ第5週、日本VSポーランド

ワルシャワではなく、ポーランド第2の都市ウッジ市で7月11日(金)、12日(土)に開催。夜8時より試合開始。

ウッジ市はワルシャワから車で2~3時間のところにあり、夜8時から試合開始。ということは試合が終わるのは11時ごろ?ということで、いくかどうか迷っていたのですが、ワルシャワ在住のバレーボールファンのかたがたのはからいで、バスを貸りきって応援に行くことになりました。

会場は1万人以上入るスタジアムということだったのですが、チケットは完売。ほんとー?いってみたらガラガラなんじゃないの?などとも思っていたら大間違い。今、火事になったらみんな出口につまって死ぬかな?と思うくらい超満員。しかも、見事に皆さん赤と白の洋服で決めている。ポーランドの国旗も赤と白ですからね。日本と一緒です。

フェイスペインティングの人も寄ってきて、何人か書いてもらっていました。日本の旗はポーランドの色と一緒だから、色もばっちり。赤と白の人波に流されながら入り口までたどり着くと、警備員に呼び止められた。日本人会からお借りしてきた応援用の国旗の棒がよろしくないらしい。プラスチックならいいけれど、木の棒は持ち込み不可だそうだ。そうか、流血騒ぎになるかもしれないから?え?そんなに危ないの?バレーの応援。

私たち日本人は多分50名のみ。歩いていると「プップッー」とラッパを鳴らされていたのは気が付いたけれど、「おーっ、めずらしいなー。よっ。」ってな感覚で鳴らされているのかしら?なんてラッパの音を翻訳しておりましたが、試合が始まってわかったのは、ラッパの音はブーイングに使われているということ。

なにー。ブーイングされていたのか?ゆるせん!日本チームがサーブをうつときは、このラッパの音が「プーーーー」ととにかくすごい。隣の人の声も何を言っているのかわからないくらい、うるさい。しかも、みんなが思いっきり鳴らしているので、かなりの騒音だ。

アナウンスも始終大音響で観客を盛りたてている。音楽もすごいし、まるでライブハウス。よく見れば、みんなが持っている応援グッズ、ポルスカと書いてあるタオルや帽子、Tシャツもサッカーと同じものっぽい。使いまわしです。でも、室内スポーツで鳴り物の応援というのはかなりひどい。

しかも、相手チームへのブーイングもひどい!室内スポーツの応援の仕方ではないです、あれは。だから、サッカーと同じような夜8時の試合開始なのか?日本のを見たら、午後3時ごろの試合開始が多いよう。どうやら、ポーランドではサッカーとバレーというのは同じような応援の系列にあるらしい。

ちなみにチケットも決して安いものではない。2500円~6000円。私たちの4500円の席も、ぜーんぜんよくない。しかも、指定席のはずなのに指定席ではなくなっていて、みんな好き勝手に座っているし。って、いうか、そもそも指定席なのに、指定席番号が席にない!

試合は私たちの捨て身の応援にも関わらず、2-1で負け。いいんです。こんな状況で勝たれたら、私たち帰らせてもらえないかもしれません。しかも、日本の選手が試合後に、私たちの席の前に来て挨拶をしてくれました。応援していたのわかっていてくれたんだ。うれしい。

別にラッパのブーイング以外は、日本人だからといって、いやなことをされたわけでもないことを思えば、やはりポーランド人は穏やかなのかもしれないけれど、バレーボールの試合の観戦マナーとしては悪いですねー。いかんよ。

応援している私たちも周りの応援に圧倒され、威圧感さえ感じましたが、選手はこういう中で試合をしているんだと思うと、あらためて精神的な強さを感じますね。

その後、夜11時にウッジを出発。午前1時半にワルシャワに到着。
翌日、日曜日、ワルシャワ空港から飛び立つ前にバレーボールチームの皆さんが日本人学校を訪問してくださいました。お疲れの様子でしたが、子供たちもとても喜んでいました。

実際に選手を見たということで、オリンピックでの応援に力が入りそうです。ポーランドでも日本の試合を見せてくれるといいのだけどな。もしもオリンピックでポーランドと対戦するようなことがあったら、ぜーったいに勝って欲しいわ。

そのときに子供たちも、自分たちが握手をした選手がテレビで活躍するのを喜んでみることでしょう。
もうすぐで、オリンピック!

がんばれ、ニッポン!