移住して太ったけど、体重は測っていない。ルッキズムを考える

スウェーデンに移住してから、太りました。移住9ヶ月目ですが、今が大人になってからの最高体重だと思います。でも、体重は測っていません。もともと痩せ型で、ガリガリではなかったけれど健康診断ではBMIだけ「痩せすぎ」のC評価でした。なので多少体重が増えるのはむしろ健康にはいいことだと思うのに、体重を測ってしまうと「痩せなきゃ」と思う自分が出てきそうな気がしています。なので今日はちょっと最近感じたルッキズムの根強さについて、書いてみます。

数日前、とあるジーンズを久しぶりに履きました。このジーンズは、日本にいたころのいわゆる地元着で、見た目よりも着心地重視のときに着ていたちょっと大きめのもの。でも今履いたら、一応入るけれどキツくて、ボタンを閉めるときにちょっと引っ張らないといけないくらいになっていました。これまで入っていた服が入らなくなるのは初めての経験です。ちょっとだけ、落ち込みました。

でも考えてみると、全く落ち込むべきではないんです。もともと痩せすぎくらいなんだから、標準体重くらいになるのはいいこと。今の見た目もいい感じだと思うし、何より最近筋肉がつきやすくて筋トレが楽しいです。そのはずなのに「大きくなるのは悪いこと」という考えが自分の中で無意識に染み付いているんですよね。この価値観はどこから来るのか。考えてみると、まず思いつくのはメディアです。特に日本のメディアでは、美人とされる女性は皆小柄で痩せています。逆に女性芸人はぽっちゃり体型の方が多く、大きい=女性としての魅力が少ない、というメッセージを暗に感じます。

あとは私の場合、中高生くらいのときに家のソファーで寝っ転がっていたら父に「でかいなぁ」と言われ、そのあと骨格が小さい姉にも「やっぱり○○がここ寝てるとでかく見えるね」と言われた記憶があります。もしかしたらたった一回の出来事かもしれませんし、別に悪意はなかったのだと思いますが、多感な時期の私は何か感じるところがあったんでしょう。あの頃から「大きいことは悪いこと」となんとなく感じていたのだと思います。

でも大人になって自分の頭で考えられるようになった今は、小さいか大きいか、痩せているか太っているかなんて、人の魅力にはあまり関係ないことがわかります。健康的な見た目が一番綺麗。アクティブで筋肉と脂肪が健康的についている女性が私にとって1番の憧れです。実際SNSでフォローしている筋トレ女子も、筋肉と脂肪がしっかりついていて本当に素敵だと思います。

だから昔入ってたジーンズが入らなくなったことは、本当は喜ばしいことのはずです。憧れの筋肉と脂肪がついている証拠。と頭では分かっていても、まだ体重を測る勇気が出ない自分がいるのはなんなのでしょうね。家族と久しぶりに会うときも「太った?」って言われそうな気がして、会う1週間前は筋トレをサボらないようにしていました。実際は何も言われなかったし、言われたところで「太った!筋肉がつきやすくなっていい感じ!」と言えばいいだけのはずなのに何が怖いんだか。ルッキズムは根深いですねぇ。