帰国子女入試では、滞在国の高校の成績を提出します。
その際にGPAも、履修していた授業も大学側に知られてしまいます。
そうなると、高校の授業の選び方に迷うと思います。
この記事では、高校一年生の途中からインターナショナルスクールに転校した私が実際に選んだ授業と、数理系の授業を選ぶメリット・デメリット、社会系の授業を選ぶメリット・デメリット、そして学校の成績は入試の合否に影響がないかもしれないことをお伝えしています。
私の場合
私が選んだ授業の組み合わせ
Grade10にとった授業:
Biology, Economics, English B2, French A1y1, Geography, History, Maths Precalculus, Music
Grade 11 にとった授業:
Biology pre-AP, Computer Applications, English, French A2y1, Human Geography, Maths AP Calculus AB, Microeconomics AP
Grade 12 にとった授業:
Comparative Government and Politics AP, English Honors, French A2, Maths AP Calculus BC, Maths AP Statistics
選んだ理由・裏話
Grade 10:
私はGrade10の二学期に転入したので、Grade10の授業は大学入試のことを一切考えず、興味のあるものを選びました。
卒業するための単位の関係で、理系の科目と文系の科目をどちらも選ばないといけなかったので、バランスのいい組み合わせでした。
Grade 11:
はじめはComputer ApplicationsではなくPsychologyを取っていました。ですが、Psychologyの先生の英語があまりにも下手だし、「今日は自習」と言って授業を放棄する人だったので(衝撃的)、事務局の人にお願いして変えてもらいました。Computer Applicationsの授業がとてもためになったので、結果オーライです。
Grade11の時点で、APを2つとpre-APを1つ取っていました。APではない授業を取るよりも、クラスの生徒の質が良かったり、先生の教えるやる気が違っていたりしたので、積極的にAPの授業を取りました。Biologyは結局pre-APだけやってAPに進んでいません。
Grade12:
Grade12になるときに一番授業選びに悩みました。
必修のEnglishとFrench以外は全てAPで、1年で3つのAPに取り組みました。私が通った高校ではAPの科目を3つ以上取ると、合計で5教科しか授業を履修しなくて良かったので、3つ選びました。
余った時間は、統一試験の勉強や、日本の簿記の勉強に当てていました。
3つのAPを選んだ基準は、
・Maths AP Statistics:Grade11のときに受けたMicroeconomics APの授業で経済学に興味を持っていたから
・Maths AP Calculus BC:Grade11でMaths AP Calculus ABを取っていたので、その続きとして
・Comparative Government and PoliticsAP:イギリス・メキシコ・ロシア・イラン・中国・ナイジェリアの政府のあり方を比較する授業で、面白そうだったから。将来役に立ちそうな内容だと思って惹かれた。
です。基本は興味に基づいて授業を選びました。
各学年のGPA
このような授業を履修した結果、各学年のGPAはこんな感じでした。
Grade10:3.92 Grade11:4.55 Grade12:4.87
AP教科はGPAが1.3倍される制度だったので、満点であるはずの4を超えるGPAとなっています。
この数字から見えるポイントは、ちょっとずつGPAが上がっていることです。このあたりの話はこの記事で後述します。
次に、私が思う数理系・社会系の授業を選ぶメリット・デメリットをまとめていきます!
数理系の科目を選ぶメリット
いい成績を取りやすい
海外に住み始めてからまだ年数が経っていない人は、数理系の科目でいい成績を取りやすいです。理由は、単純に語学の能力の関係ですね。
日本の教育を受けていた人に取っては、習う内容もマスターしやすいと思います。
統一試験の勉強に力を入れられる
卒業まで時間がないときは、統一試験の点数を上げることを最優先にしたい人が多いと思います。
そんなときに、数理系の科目が多い授業の組み合わせだと、学校の勉強に時間を取られすぎなくていいと思います。「統一試験用」の勉強をする時間を作ることができます。
数理系の科目を選ぶデメリット
英語の上達に繋がらない
メリットとして、「統一試験用」の勉強の時間を取れると書きましたが、これは卒業間近の人にとってのメリットだと思います。
まだGrade10やGrade11の人は、むしろ学校で高度な英語に触れる機会が減ってしまい、英語力の上達が滞ってしまう可能性があると思います。そうすると、結局統一試験の点数も上がりにくいので、はじめのうちは社会系の科目をとった方が後々楽になるかもしれません。
社会系の科目を選ぶデメリット
いい成績を取りにくい
英語が上手に話せないうちは、社会系の科目でいい成績を取るのは難しいです。
私が留学1年目のGrade10のときにとった授業で一番苦労したのがHistoryでした。
先生が何を言っているかわからず、何も頭に入らないままいつの間にか授業が終わり、もちろんテストの問題も何のことかさっぱり、と言った具合でした。
私の最初の学期のHistoryの成績はB-でした。これでもよくCじゃなかったな、と思えるほどです。
社会系の科目を選ぶメリット
英語の上達につながる
いい成績を取るのが難しいのは、高いレベルの英語力を求められるからです。それは逆に、自分の英語力を引っ張り上げてくれることにもつながります。
実際、私は苦戦したHistoryの授業でたくさんの単語を覚えました。長文の英語を読む特訓にもなるし、集中して先生の話を聞く時間が長いのでリスニングも鍛えられます。
私はHistoryの授業をとったことでいいスタートダッシュがきれたと思います。
滞在国でしか教われないことを教われる
数学や理科の授業はシラバス通りに進むことが多いです。
社会系の授業の方が、先生の小話を聞く機会が多かったり、プレゼンをする機会があったりします。
せっかく海外に住んでいるのだから、滞在国ならではの授業を積極的に選ぶと実りのある滞在になるのではないでしょうか。
帰国子女入試対策という観点から見ても、多様な授業をとって多様な経験をした方が、小論文や面接のネタになります。
学校の成績は入試の合否に影響がない?
提出書類として高校の成績があるので、成績を上げておいた方がいいとは言えると思います。
でも、本当に大学側は高校の成績を見て合否を決めているのでしょうか?
帰国生用の予備校が高校の成績について言及することが少ないですよね。何年も帰国子女枠で受験をする生徒を見てきている先生たちが、重視していないポイントです。
大学があまり滞在国での成績を見ていないかもしれないことを示しているのではないでしょうか?
確かに、滞在国によって、通う高校によって制度も難易度も違うので、成績の取りやすさは違います。一概にGPAだけで生徒の出来を判断できないことを大学も知っているのではないかと思います。
いい印象を与えるには、年々GPAが上がっていることを示すといいと思います。
成長意欲と、ポテンシャルを証明できるからです。留学してすぐにいい成績が取れなくても、その後改善していくことで好印象を与えることができそうです。
おわりに:興味のある科目を探ってみる
あなたが今、授業の選び方に迷っているのなら、それは選択肢があるから迷っているのだと思います。
決まったカリキュラムに基づいて授業を受けるのではなく、自分で選べるというのは、興味がる分野を探るいい機会だと思います。
私は、Microeconomicsをとったことで経済学に興味を持ち、その後Statisticsをとって経済学部に進学することを決めました。
興味がある分野を学んだ方が絶対に楽しいですし、充実した生活になると思うので、受ける授業を選べる今、自分の興味の赴くままに選んでみても面白いのではないかなと思います!